リバ剣として剣道を再開するとき、最初に迷いやすい道具が竹刀です。
学生時代に使っていた感覚で選ぶと、今の体力や筋力、肩や肘の状態、稽古頻度に合わず、振りにくさや痛みにつながることがあります。
竹刀は長さや重さだけでなく、柄の太さ、柄の形、重心、竹の張り、仕組みの状態によって使い心地が大きく変わるため、復帰直後は強さよりも安全性と扱いやすさを優先することが大切です。
この記事では、リバ剣の竹刀の選び方について、一般成人が知っておきたい規格、稽古用と試合用の考え方、体への負担を減らす選択、購入前後の確認点まで、再開後に失敗しにくい流れで整理します。
リバ剣の竹刀の選び方は無理なく振れる一本が基本

リバ剣が最初に選ぶ竹刀は、昔の感覚で「速く振れる」「軽く感じる」「見た目がよい」ものを選ぶより、今の自分が正しい姿勢で無理なく振れる一本を選ぶことが基本です。
剣道経験がある人ほど、学生時代の打突感覚を基準にしがちですが、復帰直後は足さばき、肩甲骨の動き、手の内、握力、息の上がり方が想像以上に変わっていることがあります。
その状態で合わない竹刀を使うと、構えが崩れたり、手首だけで操作したり、力任せに振ったりしやすくなるため、稽古を続けるほど癖が戻るのではなく、別の癖を作ってしまう場合があります。
最初は標準型から選ぶ
リバ剣の最初の一本は、特殊な形状よりも標準型を基準に選ぶと失敗しにくいです。
標準型は重心や握りの癖が強すぎないため、再開直後に自分の振り方、握り方、打突時の力みを確認しやすく、指導者からの修正も受け入れやすくなります。
胴張り型や柄太型、小判型などは便利な選択肢ですが、最初から個性の強い竹刀を使うと、竹刀の特徴で振れているのか、自分の動作が整っているのかを判断しにくくなります。
まずは標準型で数回から数週間稽古し、手の内が回る、先が重く感じる、肩が詰まるなどの具体的な違和感が見えてから次の候補を選ぶと、買い替えの理由が明確になります。
一般用は三九を基準にする
成人のリバ剣で一刀を使う場合、竹刀の長さは一般的に三九を基準に考えます。
全日本剣道連盟の竹刀基準では、大学生と一般の一刀用は長さが120センチメートル以下で、男性は510グラム以上、女性は440グラム以上とされています。
ただし、この重量は鍔を含まない考え方であり、販売店や大会の検量では状態によって数値が変わることもあるため、試合に出る可能性がある人は規格ぎりぎりより少し余裕のある竹刀を選ぶほうが安心です。
稽古だけで再開する段階なら、規格を理解したうえで指導者に相談し、体力や関節の状態に合わせて無理のない選択をすることが大切です。
軽さだけで判断しない
復帰直後は体が思うように動かないため、軽く感じる竹刀を選びたくなりますが、軽さだけを基準にすると手打ちになりやすいです。
先が極端に軽い竹刀は素早く動かせる一方で、刃筋や物打ちの感覚をつかみにくく、打突の冴えを手首の速さだけで作ろうとしてしまう場合があります。
特にブランクが長い人は、足で入って体で打つ流れを取り戻す前に軽い操作感へ頼ると、肩が上がる、左手が浮く、右手に力が入るという癖が戻りやすくなります。
軽いと感じるかどうかではなく、数十本素振りをしても構えが崩れず、左手で中心を保ち、打突後に手首や肘へ痛みが残らないかを基準にしましょう。
手の大きさで柄を合わせる
竹刀の選び方で見落としやすいのが柄の太さです。
手が大きい人が細すぎる柄を使うと、握り込みすぎて手の内が固まりやすく、打突の瞬間に余計な力が抜けにくくなります。
反対に手が小さい人が太すぎる柄を使うと、左手の小指と薬指が効きにくくなり、竹刀を支えるために右手で握ってしまうことがあります。
武道具店の復帰者向け情報でも、手の大きい人は柄太系、手の小さい人は柄細系、竹刀が手の中で回る人は小判型や八角型が候補になると説明されています。
店頭で選べる場合は、構えた瞬間だけでなく、面打ちの振りかぶり、打ち下ろし、残心までを軽く再現し、左手の収まりが自然かどうかを確認してください。
小判型は握りの補助に使う
小判型の竹刀は、柄の断面が楕円に近いため、刃筋を意識しやすく、竹刀が手の中で回りやすい人に向いています。
リバ剣では、ブランク中に握りの感覚が薄れていることが多く、竹刀の向きが安定しないまま打突してしまうケースがあります。
そのような人にとって小判型は、竹刀の上下や刃筋を手のひらで感じやすく、正しい握りを思い出す補助になります。
ただし、小判型を使えば必ず正しい手の内になるわけではなく、強く握りすぎれば手首は固まり、打突後の冴えも出にくくなります。
小判型は癖を直す魔法の道具ではなく、握りを確認しやすくする道具として考え、稽古中は左手主導と脱力を同時に意識しましょう。
肩や肘の状態を優先する
リバ剣の竹刀選びでは、見栄や過去の実力よりも、肩、肘、手首の状態を優先する必要があります。
若い頃は重い竹刀を振れていた人でも、仕事や育児で運動習慣が減っていると、肩周りの可動域や背中の筋力が落ちていることがあります。
その状態で先重の竹刀を無理に振ると、面打ちの振りかぶりで肩が詰まり、打ち下ろしで肘の外側や手首に負担が出ることがあります。
痛みがある場合は、竹刀だけで解決しようとせず、稽古量を減らす、素振りの本数を調整する、準備運動を長めにする、必要に応じて医療機関や指導者に相談することが大切です。
無理なく続けられる竹刀を選ぶことは、弱さではなく、長く剣道を楽しむための現実的な判断です。
稽古用と試合用を分ける
リバ剣は、再開直後から一本だけで全てを済ませようとせず、慣れてきたら稽古用と試合用を分けて考えると安心です。
稽古用は振りやすさ、耐久性、体への負担の少なさを重視し、試合用は規格の余裕、検量への安心感、打突時の操作性を重視します。
大会に出る予定がない段階でも、竹刀は使用や乾燥によって重量や状態が変わるため、古くなった一本をそのまま試合に使うのは避けたほうが無難です。
普段の稽古で使い込む一本と、状態を保っておく一本を分ければ、ささくれや割れに気づきやすくなり、相手への安全配慮にもつながります。
価格より継続性で見る
リバ剣が竹刀を選ぶときは、高い竹刀が必ず正解というより、継続して同じ感覚を再現しやすい価格帯を選ぶことが大切です。
復帰直後は稽古量が安定せず、週一回の時期もあれば、急に稽古回数が増える時期もあるため、消耗ペースを読み切れません。
最初から高価な竹刀だけに頼ると、傷んできたときに交換をためらい、結果として安全性が落ちた竹刀を使い続ける可能性があります。
まずは普及型や標準型で自分の好みを確かめ、稽古頻度、手の内、打突感覚が戻ってきてから上位モデルや好みの形状に進むほうが、費用面でも納得しやすい選び方になります。
店頭確認を一度入れる
ネット購入は便利ですが、リバ剣の最初の竹刀は一度でも店頭で実物を握る機会を作ると判断しやすくなります。
同じ三九でも、柄の太さ、節の位置、竹の張り、重心の感じ方は商品ごとに異なり、画面上の説明だけでは自分の手に合うか分かりにくいです。
店頭では、左手の小指が自然に締まるか、右手に余計な力が入らないか、構えたときに剣先が落ちないかを確認しましょう。
近くに武道具店がない場合は、標準型から始めて、購入後の違和感を記録し、次回購入時に柄太、柄細、小判型、胴張り型などへ調整していくと選択の精度が上がります。
復帰初期に迷う重さと長さの見極め方

リバ剣の竹刀選びで最も迷いやすいのは、規格上の長さや重さと、実際に振ったときの体感が一致しないことです。
同じ三九の竹刀でも、重心が手元にあるか先にあるかで振り心地は変わり、数値上は同じ重さでも疲れ方や打突の安定感に違いが出ます。
復帰初期は、規格を満たすかどうかを確認したうえで、体力を戻す期間の稽古に合うか、試合や審査に向けて使えるかを分けて考えると選びやすくなります。
成人の規格を確認する
竹刀は自由に見えて、試合や審査を意識するなら規格を確認して選ぶ必要があります。
成人の一般用一刀では三九が基本となり、全日本剣道連盟の2019年4月施行の基準では、長さは120センチメートル以下、男性は510グラム以上、女性は440グラム以上とされています。
| 区分 | 長さ | 重さ | 見方 |
|---|---|---|---|
| 一般男性 | 120cm以下 | 510g以上 | 三九が基本 |
| 一般女性 | 120cm以下 | 440g以上 | 三九が基本 |
| 高校生男性 | 117cm以下 | 480g以上 | 三八が基本 |
| 高校生女性 | 117cm以下 | 420g以上 | 三八が基本 |
大会に出る人は、購入時に規格対応品かどうかを確認し、乾燥や使用による重量変化も考えて、ぎりぎりではなく少し余裕を見ておくと安心です。
体感重量を素振りで見る
竹刀の重さは数字だけでなく、素振りをしたときの体感で判断する必要があります。
先重の竹刀は打突に重みを出しやすい一方で、復帰直後の体には負担が大きく、振りかぶりで肩が上がる人には扱いにくい場合があります。
- 構えで剣先が落ちない
- 左手で中心を保てる
- 振りかぶりで肩が詰まらない
- 打突後に手首が痛まない
- 十本連続でも姿勢が崩れない
この確認で違和感が強い場合は、重さの数値よりも重心や柄の太さが合っていない可能性があるため、別の形状も試して比較しましょう。
短く戻す判断は慎重にする
久しぶりの稽古で三九が重く感じると、三八など短い竹刀に戻したくなる人もいます。
練習環境や体の状態によって一時的に短めを使う判断が必要なことはありますが、成人として試合や審査を視野に入れるなら、最終的には一般用の感覚へ戻す意識が大切です。
短い竹刀は取り回しが楽に感じやすい反面、間合いの感覚が変わり、打突機会や足の入り方に影響することがあります。
肩や肘に不安があって短めを検討する場合は、自己判断だけで決めず、先生や武道具店に状況を伝え、稽古用としての一時利用なのか、試合や審査まで使うのかを分けて考えると迷いにくくなります。
柄の形とバランスで操作性を整える

リバ剣の竹刀選びでは、長さと重さを決めたあとに、柄の形と竹刀全体のバランスを見ることが重要です。
握った瞬間にしっくり来る竹刀でも、実際に構え、振りかぶり、打突、残心まで動かすと、手の内の抜け方や刃筋の安定感に差が出ます。
とくにブランク明けは、右手で止める癖や左手が浮く癖が出やすいため、柄の選択は単なる好みではなく、正しい操作を取り戻すための補助として考えましょう。
柄太は力みを減らす
柄太の竹刀は、手が大きい人や握り込みすぎる人に向いていることがあります。
細い柄を強く握ると、指が深く入りすぎて手の内が固まり、打突の瞬間に力を抜く動作が難しくなる場合があります。
| 柄の傾向 | 向く人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 柄太 | 手が大きい人 | 手が小さいと支えにくい |
| 柄細 | 手が小さい人 | 握り込みに注意 |
| 標準 | 迷っている人 | 比較基準にしやすい |
柄太を選ぶ場合も、太ければよいわけではなく、左手の小指と薬指が自然に締まり、右手の親指と人差し指に力が入りすぎないかを確認してください。
胴張り型は手元操作に向く
胴張り型は手元側に重心を感じやすく、取り回しの軽さを求める人に選ばれやすい形です。
復帰直後に先が重く感じて振り遅れる人や、稽古後に肩が張りやすい人には、標準型より扱いやすく感じることがあります。
- 手元が軽快に動く
- 返し技を出しやすい
- 連続技で疲れにくい
- 先の重みは感じにくい
ただし、胴張り型に頼りすぎると、間合いに入る前から手で操作する癖が出ることもあるため、足で攻めて中心を取る意識を失わないようにしましょう。
先重は打突感を作りやすい
先重に感じる竹刀は、打突時に物打ちの乗りを感じやすく、面を大きく打つ稽古には向いています。
リバ剣が基本打ちを取り戻す段階では、先の重みがある竹刀を使うことで、腕だけで振るのではなく、体全体で竹刀を運ぶ感覚を思い出しやすいことがあります。
一方で、肩や肘に不安がある人には負担が大きく、連続の切り返しや掛かり稽古でフォームが乱れやすくなる場合があります。
先重を選ぶなら、短時間の試し振りだけで判断せず、稽古の後半でも剣先が落ちず、左手の位置を保てるかを基準にすると実用性を見極めやすくなります。
購入前と稽古前に見る安全性の基準

竹刀は自分が振りやすいだけでなく、相手を傷つけない状態で使うことが前提です。
リバ剣は道具の扱いを覚えていても、久しぶりに再開すると点検の習慣が抜けていることがあり、ささくれや中結のゆるみに気づかないまま稽古してしまうことがあります。
安全性の確認は面倒に感じるかもしれませんが、竹刀の破損は相手の目や喉に関わる事故へつながる可能性があるため、稽古前の短い点検を習慣にしましょう。
仕組み済みでも点検する
仕組み済みの竹刀はすぐに使える状態で販売されていますが、購入後に何も確認しなくてよいわけではありません。
弦の張り、中結の位置、先革の収まり、柄革のゆるみは、配送や保管状態によって微妙に変わることがあります。
| 確認箇所 | 見る点 | 危険な状態 |
|---|---|---|
| 先革 | 抜けや破れ | 先端が露出する |
| 中結 | 位置と締まり | 竹が開きやすい |
| 弦 | 張り具合 | 刃筋がずれる |
| 竹 | 割れやささくれ | 相手を傷つける |
購入直後に不安がある場合は、自己流で強く締め直すより、武道具店や経験者に確認してもらうほうが安全です。
極端な加工品を避ける
復帰後に速く打ちたい気持ちが強いと、先が極端に軽い竹刀や特殊な操作感の竹刀に惹かれることがあります。
しかし、安全性を損なうような形状変更や、極端に先を細くして部品で調整しているような竹刀は、破損時の危険が大きくなります。
- 先が不自然に細い
- 竹の合わせに大きな隙間がある
- 部品の収まりが悪い
- 仕組みがゆるい
- 使用後の割れが早い
剣道は相手がいて成立する稽古なので、自分の打ちやすさよりも、打たれる側の安全を守れる竹刀かどうかを優先しましょう。
稽古前の手入れを習慣にする
竹刀は消耗品であり、使えば少しずつ傷みます。
とくにリバ剣は稽古頻度が週一回程度でも、一回の稽古で集中して打ち込むことが多く、短期間でささくれが出ることがあります。
稽古前には竹刀を軽く回しながら竹の表面を見て、指で触れたときに引っかかりがないかを確認しましょう。
ささくれを見つけた場合は、無理にそのまま使わず、適切に削る、油を入れる、状態が悪ければ交換するなど、相手に向ける道具として責任ある扱いをしてください。
リバ剣が買い替えで失敗しない進め方

竹刀選びは一度で完璧な正解を出すものではなく、稽古を重ねながら自分に合う条件を絞り込んでいくものです。
復帰直後は体が戻る過程で好みも変わり、最初は軽く感じるものがよくても、数か月後には物足りなくなることがあります。
買い替えを失敗にしないためには、使いにくかった理由を感覚だけで終わらせず、重さ、重心、柄、稽古内容、体の反応に分けて記録しておくことが有効です。
最初の一本で基準を作る
リバ剣の最初の一本は、理想の竹刀を探すというより、今後の比較基準を作る意味が大きいです。
標準型の三九を使ってみると、自分がどこに不満を感じるのかが具体的になります。
| 感じた違和感 | 考えられる原因 | 次の候補 |
|---|---|---|
| 手で回る | 柄が合わない | 小判型 |
| 肩が疲れる | 先が重い | 胴張り型 |
| 握り込む | 柄が細い | 柄太 |
| 左手が効かない | 柄が太い | 標準か柄細 |
このように不満を言語化しておくと、次回購入時に販売店へ相談しやすくなり、なんとなく評判のよい竹刀を選ぶより満足度が高くなります。
稽古内容で使い分ける
リバ剣は稽古内容によって竹刀の向き不向きが変わることを知っておくと、買い替えの判断がしやすくなります。
基本打ちや切り返しを多く行う日は、刃筋や物打ちを感じやすい竹刀が向き、互角稽古や技の練習が多い日は、手元操作のしやすい竹刀が楽に感じることがあります。
- 基本重視なら標準型
- 操作重視なら胴張り型
- 握り確認なら小判型
- 手が大きいなら柄太
- 疲労軽減なら手元重心
ただし、道具を変えすぎると感覚が定まらないため、復帰初期は二種類程度に絞り、稽古目的に合わせて使い分けるくらいが現実的です。
買い替え時期を見逃さない
竹刀は折れるまで使うものではなく、安全性が落ちる前に交換するものです。
ささくれが頻繁に出る、竹の合わせが開く、中結を締めてもすぐ緩む、打突音が変わるなどの変化があれば、買い替えを検討する合図です。
リバ剣は稽古回数が限られる分、一本を長く使えるように感じるかもしれませんが、保管中の乾燥でも状態は変わります。
防具袋に入れっぱなしにせず、湿気と乾燥を避けて保管し、稽古前後に状態を見る習慣を作れば、買い替えの遅れによる危険を減らせます。
再開後の一本選びは体を守る準備になる
リバ剣の竹刀選びは、単に道具を買う作業ではなく、剣道をもう一度長く楽しむための準備です。
成人の一般用では三九を基準にしながら、規格、安全性、柄の太さ、重心、体への負担を総合して考えることで、復帰直後の不安を減らしやすくなります。
最初から完璧な一本を探すより、標準型で基準を作り、稽古後の疲れ方や握りの違和感を見ながら、小判型、柄太、胴張り型などへ調整していくほうが失敗は少なくなります。
軽くて振りやすい竹刀に惹かれる場面でも、相手に向ける道具としての安全性を忘れず、ささくれや割れ、仕組みのゆるみを点検する習慣を持つことが大切です。
無理なく振れる一本を選べれば、体への負担を抑えながら基本を取り戻し、稽古を続ける楽しさを感じやすくなります。



